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【半導体】台経院「米中テクノロジー競争下における中国半導体産業の国産化戦略と今後の展望」前編
2026-09-30 11:28:55
台湾メディア『風伝媒』は2026年9月24日付で、台湾のシンクタンク台湾経済研究院(台経院)産業経済データベースの劉佩真ディレクターを筆頭著者とした研究レポート『米中テクノロジー競争下における中国半導体産業の国産化戦略と今後の展望』を掲載した。政策支援と資本投入を背景に、中国の半導体産業が、「成熟プロセスの生産能力急拡大」と「先進技術の自主開発によるブレークスルー」というデュアルトラックの発展様相を呈していると評した。同レポートを前編、後編の2回に分けて紹介する。


風伝媒によると、レポートで台経院の劉氏は、米中テクノロジー覇権争いという外部圧力の下、中国政府は半導体の国産化を国家安全保障戦略の最重要課題に引き上げているとし、これを背景に、登録資本金3440億元(1元=約23.4円)に上る第3期の「国家大基金(半導体産業投資ファンド)」が本格始動したと紹介。投資の重点が、先進プロセス、ハイエンド製造装置・材料、先進封止(パッケージ)、AIコアチップの技術確立へと完全にシフトしたと指摘した。

一方、中国の半導体産業を取り巻く外部環境について、「天の時(タイミング)」「地の利(市場優位性)」「人の和(資本と連携)」の3つの次元に整理できるとした。

このうち1つ目の「天の時(タイミング)」について劉氏は、世界の半導体産業は、生成AI、エッジAI、スマート電気自動車(EV)、高性能コンピューティング(HPC)、6G展開に牽引され、GPU、ASIC、高帯域幅メモリ(HBM)への需要が爆発的に高まる一方、従来型の微細化を支えてきた「ムーアの法則」が減速する中、チップレット(Chiplet)、2.5D/3D異種集積、シリコンフォトニクス(SiPh)、化合物半導体等、ポスト・ムーア時代の技術が注目されていると指摘。これら非伝統的な微細化手法の進展が、中国に対して、「レーンを変えての追い越し」や技術格差の縮小を実現するための戦略的な時間的猶予を提供していると説明した。

2つ目の「地の利(市場優位性)」については、中国は世界最大の半導体消費市場及び電子機器製造基地としての地位を維持しており、ファーウェイ(Huawei=華為)、シャオミ(Xiaomi=小米)、BYD(比亜迪)、レノボ(Lenovo=聯想)といった地場系の端末大手が市場での影響力を高めており、積極的に国産ソリューションを採用していると指摘。このことが、中国本土の半導体チップ産業チェーンに対して巨大なテスト・検証プラットフォームと市場の出口を提供しており、国産代替のイノベーション・サイクルを加速させているとした。

3つ目の「人の和(資本と連携)」については、大基金第3期が、地方政府系の産業投資ファンドや民間資本による投資を誘発し、主要製造装置・材料等のボトルネック分野を支援する役割が期待されているとした。人材育成においては、重点(一流)大学での一次学科(専門学科)設置と海外からの人材招聘を組み合わせて進んでいるとした。産業協調の面では、産業間の連携により、装置、材料、設計、製造、封止・測定(パッケージ・テスト)に及ぶ産業チェーン全体で戦略的提携が深まり、包括的なエコシステムの構築が進められているとした。

サプライチェーン各分野の進展とボトルネックについてレポートは、封止・測定は国産化率が最も高く、国際競争力も最も強い分野であり、世界シェアは既に25%を突破したと指摘。従来の封止事業の利益率が鈍化する中、JCET(長電科技)、TFME(通富微電)、Hua Tian(華天科技)の大手3社は、高密度ファンアウト(High-Density Fan-Out)、フリップチップ(Flip-Chip)、ウェハーレベル・チップスケール・パッケージ(WLCSP)、チップレット(Chiplet)分野を含む「先進封止」へと研究・開発(R&D)の重点を移し、中国独自のチップレット標準規格の確立を進めることで、ファウンドリ(ウェハー製造)と封止・測定大手の一体化サービスを推進しているとした。一方でボトルネックについては、台湾TSMC(台積電)の「3D Fabric」プラットフォームや台湾ASE(日月光)の「VIPack」プラットフォームに対し、中国企業は極高密度マイクロバンプ、バンプレスハイブリッド結合、超高密度シリコンインターポーザの歩留まり及び規模の面で依然、1〜2世代の技術的格差をつけられていると評した。

中国のIC設計分野については、EV(電気自動車)をはじめとする新エネルギー車、スマートIoT(モノのインターネット)、防犯カメラ需要の恩恵を受け、地場系企業の数、規模とも成長していると指摘。ファーウェイ傘下のHiSilicon(海思)は地場サプライチェーンの再構築を通じてスマートフォン及び車載プラットフォームで復活、Cambricon(寒武紀)、Moore Threads(摩爾線程)、Biren Technology(壁仞科技)等のAIチップメーカーがAIブームに乗じて急速に台頭した他、Will Semiconductor(韋爾股份)、GigaDevice(兆易創新)、Goodix(匯頂科技)、Unisoc(紫光展鋭)も各分野で地位を固めていると紹介した。一方で、ハイエンドCPU/GPU、車載マイクロコントローラ・ユニット(MCU)、EDAツールは依然として海外に対する依存度が高いとし、対抗策としてRISC-Vオープンアーキテクチャの全面採用や独自のエコシステム構築を進めているとした。(=以下後編に続く)

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